偽りの結婚
そして、やっと目を開けた彼女に心の底から安堵する感覚を覚え…
腕の中でエメラルドグリーンの瞳にうっすらと涙を湛え、けれど涙を必死に耐えている彼女を見て、胸が締め付けられた。
守ってあげなくてはならない存在だと思った。
腕の中で華奢な体を小刻みに震わせているくせに、大丈夫などと言うから尚更。
あんなに怖い思いをしたにもかかわらず、なお気丈に振る舞おうとする彼女に何故か苛々として。
それからだ…彼女を、シェイリーンを意識するようになったのは…
それまで夜は遅くに帰り、時には朝まで帰る時もあったが、それがピタリと止んだ。
公務を終えると真っ直ぐに寝室へ帰り、シェイリーンを抱きしめて眠るようになった。
シェイリーンの柔らかい体を抱きしめると、ほのかに香るシャンプーの匂いは、より深く夢の中に誘う誘引剤のようで。
すべすべとした肌と柔らかい髪は、ずっと抱きしめていたいと思わせるほどに心地良い。
物音一つで起きてしまう性分はどこへやら…
シェイリーンの体を抱きしめて眠っていると、なかなか深い眠りから覚めてくれない。