偽りの結婚
「本当なのですか…?」
表面は冷静を装っても、自分の声が掠れていることが分かる。
余裕など一切なかった。
シェイリーンの事となると、自分を制御出来ないことはもう分かっていたから。
「………」
ただ悲しそうな表情を浮かべて、無言で返される返事に一層心音が早くなる。
シェイリーンが王宮にいない?
そんなはずはない……
今朝、珍しくシェイリーンの方から帰りの時間を聞いてくれたのだから。
しかし思い起こしてみれば、その時のシェイリーンの表情は曇っていた。
それはどこか思いつめた様子にも捉えられ……
まさか……っ本当に?
妙な胸騒ぎを覚え、次の瞬間には寝室に向かって走り出していた。