偽りの結婚




しかし、親友の身代わりとして結婚したシェイリーンに告白などしても、振られるのが落ち。

だから、ゆっくりとシェイリーンとの距離を縮めていこうと考えていた。

偽りの結婚といえど、シェイリーンは結婚している身。

結婚をしていれば、シェイリーンに目を付ける者などあまりいないだろうし、一番身近にいる事が出来るのは夫の特権。

シェイリーンも笑いかけてくれることが多くなったし、ほんの少しずつではあるが自我も出してくれるようになった。


このまま距離を縮めていけると思っていたが…




なぜ、急に離婚を申し出たんだ?





「まさか・・・本当に好きな男が出来たのか?」


思い起こされるのは昨日の夜のこと。

不意に自分に抱きついてきた時―――

遠慮がちに回される頼りない腕、確かに感じる柔らかい体、涙で濡れたエメラルドグリーンの瞳で見上げられ、理性を失った。

突き上げる衝動のままに、シェイリーンに口づけをすると、抵抗もせずされるがまま。

しかし、唇を離すとそこには自分の知らないシェイリーンがいた。



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