偽りの結婚
一方、リエナは感情の高ぶったラルフなど気にも留めていないようで、冷静に切り返す。
「偽りの妃を引き止めてもしょうがないでしょう?」
その鮮やかなブルーの瞳は、先程のラルフの視線より鋭かった。
「…っ!なぜそれを!?」
リエナの言葉に息を飲むラルフ。
シェイリーンと自分との関係は二人だけしか知らない。
シェイリーンが話すはずもない。
ラルフの驚愕ぶりに、呆れた溜息をつき、リエナは口を開く。
「見ていれば分かるわ。私の目を誤魔化せるとでも思ったのかしら?」
リエナは、ふふっと、不敵な笑みを浮かべる。
なぜバレたんだ?
外泊が多かったからか?
怪しまれないよう、結婚前よりも回数を減らしたつもりだったが…
いや、それよりも今は目の前の問題からだ。
リエナが本当に前から気付いていたのだとしたら、疑問がある。