偽りの結婚




「では、失礼する」


そう言ってシェイリーンがいるであろう森に向かうべく体を翻した。

しかしそれは少女の一言に止められることになる。





「今行っても、またシェイリーンに逃げられますわよ?」

「っ……!」


その言葉にバッと振り返ると、少女の瞳は真剣だった。





「それでも、シェイリーンに会って、伝えなければならないことがある」


苦い顔をしながらも答える。

シェイリーンに拒否されたとしても、この想いは伝える。




「シェイリーンもまだ貴方に伝えるべき事があるでしょうね」

「……?」


シェイリーンが伝えるべきことは手紙に書いていたことだけではないのか?

アリアの言葉の意図が分からず、疑問を浮かべる。





「意外と鈍感なのですね、シェイリーンも、貴方も」


アリアは呆れた溜息をつく。

だからこそ、こんなにややこしくなったのだしね…と小さく呟きながら。







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