Parting tears
 しばらくの間、ゆっくりとした時間を過ごし、帰り際、お城に寄ろうということになった。

 丁度Y県からの帰り道、K県にあるお城を通るので、それなら観光しようと和哉が提案したのだ。私も和哉も戦国物が好きで、本物の甲冑やお城を見てみたかったこともあり、楽しみにしながら車を走らせた。


「あっ、見えてきた! あれだよ。本物のお城見たの始めてだ」


「本当だ。私も始めてだよ。中、見物出来るよね?」


「確か見物出来るって聞いたよ」


 お城に着くと、私達は見物料を払い中に入った。
 書いてある戦国時代の地図や絵、全てを見て回った。そして甲冑。


「この甲冑小さいね。女の子サイズみたい」


「昔の人は身体が小さいからね。食べ物が今とは違うんだし、寿命も短かったんだから」


「そうだよね。今の私が戦国時代にタイムスリップしたら、大女だよ」


 そんなことを話しながら、私達は笑った。

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