Parting tears
 河川敷には、カメラを持ち構えている人やカップルがたくさんいる。普段は人気があまりないのだが、さすがに獅子座流星群が見れる日なので、人も多いのだろう。

 河川敷に寝転ぶと、空を見上げた。幸い晴れた空なので、暗いけれど星もいくつか見れた。

 こうして和哉と手を繋ぎ同じ空を見ていると、いつかプラネタリウムへ行ったことを思い出す。


「あっ」


 和哉が声を洩らしたのは、たくさんの流れ星が見えたからである。

 何度も流れ星が空に浮かび、それはとても綺麗な光景だった。私達の悩みなんてちっぽけなことにさえ思える。この先、和哉と一緒にいられますように。私はそう願った。


「結麻、願いごとを云った?」


「うん。和哉は? 何を願ったの?」


「秘密。口に出したら、叶わないような気がするから」


 そして私達は寝転がったままキスをした。始めてキスした時のように。
 寒さなど忘れ、ほのかに草の匂いがしていた。


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