完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
その後ろ姿を見て、あたしはさっき寝ていたベッドの方へ行き、ハンガーにかかっていたスーツの上着を羽織る。
きちんとボタンを止めて、正してフッと息を吐く。
……送っていく。
これで、もう三浦さんとの繋がりも無くなるんだ。
三浦さんと私を繋ぐ物は何も無くなってしまったし、あたしと三浦さんは敵だし。
これからも、仕事の敵として会う事があると思う。
三浦さんの性格を知った今、それが寂しいって思うのは変かな。
「用意できました?」
三浦さんは私服でジャケットを羽織ながらあたしを見た。
「あ、はい。」
あたしはバックを持つと、三浦さんより先に玄関へと向かいハイヒールを履く。
大体、ここに来ること自体想定外なんだよね。
飲み過ぎには本当に後悔。