君となら墜ちてもいいよ?
タクミ君と居る時の中田先生は、棘がないサボテンみたいで、可愛らしい母親に見えた。


これが本来の中田先生なのかも…?


微笑ましい親子そのものだ。


「谷川さん…今度、私にもお弁当を作ってくれないかしら?拓海がお手本にしろって言うのよ」


「え…?私がお手本?」


「作って来てくれたら、意地悪は止めるわ。

でもね、気は張りなさいよ。じゃないと…こーゆー拓海みたいな、お調子者に舐められるからね。私も新人の時は舐められてばかりだったわ…」


「は、はぁ…」


今日を境に中田先生は、私に心を開いてくれた。


新人の時に生徒から馬鹿にされて教師を止めてしまいたいと思った事、隙がありすぎる私をそうさせない為に厳しくしていた事。


離婚をしてから、心を固めて、強くなろうと決めた事。


―――二週間の研修の間、中田先生の良い部分を沢山見つけられた。


最後の授業発表も自分なりに、のびのびと上手く出来たと思う。


私は私の持つ理想を大切にして、立派な先生になるべく大学に戻った。



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