涙が愛しさに変わるまで
あたしはそんな桐沢社長にまた顔が熱くなった。
「真依?俺以外の男に近づかないで…」
そう甘く囁き、あたしから離れた桐沢社長はどこか悲しげな顔をしていた。
「桐沢しゃ……」
あたしが言いかけると唇に人差し指をあてられた。
「まー子はなんにも考えなくていいから」
優しく微笑んだ桐沢社長。
こんな優しいの桐沢社長じゃないみたい……。
なにも考えなくていいって……あたしはあの時なにを言おうとしてたんだろう。
「まー子!おまえはいつまでそこで寝てんだ!?」
……戻っちゃった。
「いまいきます…。」
あたしは桐沢社長の後ろをまたついて歩いた。
あたしが考えてたこと……
桐沢社長にはわかったの?
あたしですらなにが言いたかったかわかんないのに……?