涙が愛しさに変わるまで


………そっか、夏波さんになんか誤解とかされちゃったのかな。



だからわざわざ大阪まできて、誤解といてもらうためにとか?



もしくは「おまえのせいだ!金払え!」とか?



どうしよう……



「おまえなぁ!」



あたしは覚悟を決めて、ぎゅっと自分の手と手を握った。



「俺より先に言ってんじゃねぇよ!」



………はい?



「な、なにがですか?」



あたしは背の高い桐沢社長を見上げながら聞き返した。



桐沢社長はあたしと目があうと、恥ずかしそうに横を向いてしまった。



そして少し赤くなった顔のままあたしの問いかけに答えた。




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