宝石よりも
『あっ、カイ!とナナちゃん!』
公園に着くと、先に着いていた直樹が滑り台の上から手を振ってきた。
『わたしも滑り台する!』
七海は嬉しそうに滑り台に駆け寄り、ナオのいるところまであっというまに登っていった。
『滑り台がそんなに嬉しい年じゃないと思うんだけど』
俺がそう言えば、七海はべーっと舌を突きだしてきた。
『ふーんだ。カイちゃんのバーカ』
『あっ、そんなこと言っていいの?』
俺がむっとして滑り台に登ろうとすれば、七海はあわてて直樹の後ろに隠れた。
『ナオちゃん!わたしをあの頭のおかしい猛獣から守って!』
……ひと言余計なんだよ。
『よっしゃー、来い!』
直樹もなんか楽しそうだし。
俺ははぁ、とため息をついて、2人の茶番に付き合ってやった。