闇の花~2人の殺し屋~
「……そんなに私に殺し屋の仕事をやめてほしいの?」
私は軽くため息をついた。
何回も繰り返しているこの会話。
だけど未だにわからない。
そこまで言って私を辞めさせない理由が--
「あぁ!」
山岸は私の目を見てハッキリと言いきった。
「闇の世界にいれば覚悟してるとはいえ安心して暮らせない。十字架も重くなる。
月乃にはもう…手を血で染めてほしくないんだ」
山岸は拳をギュッと握りしめている。
感情的になっている山岸とは違って、私はなぜか冷静にその様子を見ていた。
きっと…普通の、光の世界ならそれが当たり前の感情なのかな…