闇の花~2人の殺し屋~
そうニヤッと笑ってラックは茶化してきた。
こいつ…。鬱陶しい…!
私はラックを睨んだ。
「はいはい。そこまで」
冷さんが手を叩いた。
「ちょうどいいから2人でこの仕事してこいよ」
そう言われて紙を渡された。
「今、2人とも準備OKなんだろ」
そう。
私もラックも昼間とはまったく違う夜の格好。
「……了解」
私はすぐに資料に目を通して店を出た。
空は曇っていて暗い。
「おい!待てよ!」
後ろからラックが走ってきた。
「横に並ばないで」
「いいだろ。行き先は同じなんだしさ」
ラックのこのひょうきんさのせいかしら。
かなり気にくわない。
わからない。
こいつの正体が--
「……何で教師になったの?」
「殺し屋なのに…ってか?」
「えぇ。人のことは言えないんじゃないの?」
ジロッとラックを見た。
「そうだな…」
その瞬間、ラックは寂しく笑った気がした。