闇の花~2人の殺し屋~
角島さんは黙った。



「……本当は俺だって出たくないんです。家を出て行って、自分の力で仕事をして生活している。今の生活が充実しているんです。

けれど…1ヶ月前に親父が俺の目の前に現れたんです。そしてパーティーに出ろ、と言われました。もちろん俺が断ると親父は承諾しなければ今の生活を潰すと言ってきた。それで仕方がなく承諾したんです」



角島さんの手に力が入ってるのがよくわかった。



この人は悔しいんだ。

親の力でなくて自分の力でやっと手に入れた生活、やりがいのある仕事を見つけた。



私はあの写真を見ていてすぐにわかった。



今回こうなってつらいんだ。



「角島さん。ご両親は命を狙われていることは知っているんですか?」


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