天然彼女の愛し方(完全版)
_________...
私
何かへんな事言ったっけ?
さっき突然廉が抱きついてきて
そのまま動かなくなってしまった
心なしか、見える首筋が赤く染まっている
怒っている…わけでもなさそうだし
悲しんでいる…ようにも見えない
あえて言葉にすると…愛おしそう?
「…!」
春華は自分で思い至った答えにたどり着き
これまで以上に顔を真っ赤にした
そ、そんなんじゃないよ…
きっと自意識過剰だよね!
だって…その…でも…
廉に心の声が漏れていそうで
あまりの恥ずかしさに春華は涙を溜め始めた
『あー、やべぇ
そんな言葉うかつに口に出すなよ…』
耳元で囁かれる言葉が低くて甘くて
たぶん一人では腰が砕けていて立てないだろう
「れ、ん…くん…」
声が震える
うまく言葉にできない
『俺、ほんと自分で自分が何するか分かんねぇんだから…』
それは私に言っているというより
自分に言い聞かせているようだった