天然彼女の愛し方(完全版)
字面も分からないハヤトと言う
春華と仲が良いらしい人物
男…だよなぁ
春華が男と仲良くしてるところなんて想像できないんだけど…
廉は小さくため息をついて
杞憂だと思い込むことにした
が
「・・・・・・帰ってくんの遅い」
『ご、ごめんなさい』
不愉快な気持ちは募るばかり
「…そんなにあいつと話すのが楽しかったのかよ」
『え?ごめんなさい、もう一回言って…』
「なんでもないから」
南条がもう少し女受けする顔じゃなかったり
性格が悪かったりしたら良かった
人と比べるのはかっこ悪いって頭では分かっていても
男から見てもいい男なのだから焦りを産む
『それで、廉君も聞いていたと思うけど
今週の土曜日は…』
「楽しんで来いよ、どうせ俺も部活だし」
総体まで駆け足となった5月中旬
休みなんて6月まで試験休み以外無い
『…分かりました』
春華もどこか雰囲気の違う俺に気付いたのだろう
早々と話を切り上げて、自分の席へ戻ってしまった
「…はぁ」
机に突っ伏して寝たフリをする
俺はこういう時、女がどういった言葉や態度を望んでいるのか
…全然分からない