【完】アニキ、ときどきキス
「山田先生、美帆さんとお付き合いすることになったんですか!?」


思わず身を乗り出して、新君と山田先生の間に割って入ってしまった。


「あ、その・・・はい・・・・・・」


山田先生がコクンと頷いた。

なんだか複雑・・・・・・。

私はポカンと口を開けたまま後ろの座席に寄りかかった。


「美帆様に感謝しねえとな」


新君は勝ち誇ったように笑っている。


「あのですね!僕は別にっ!!」


山田先生の声と同時に車が少しだけ左右にぶれる。


「山田先生、落ち着いて!」


「そうだぞ、山田!しっかり運転しろっ!」


「ハア。大人って面倒くさいねえ」


熱くなる私たちを尻目に、遥が流れていく景色を見ながら冷静にボソリと呟いた。

すごく胸に突き刺さる台詞に、新君も山田先生も私も、苦笑いを浮かべるしかなかった。

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