【完】アニキ、ときどきキス
そこにいたのは尾崎さんだった。

尾崎さんは私を見るなり、驚いて目を開いた。


「あれ?あなたは・・・確か遥の担任の・・・・・・」


「北原です」


私は尾崎さんにペコリと頭を下げた。


「あの日以来ですね。
ところでどうしてあなたがここに?」


「尾崎さん、俺が連れてきたんだ」


新君が私の肩を抱き、グイっと体を引き寄せた。


「あの、新君?」


私は新君を見上げる。

新君はジッと尾崎さんを見つめている。

真剣な表情だった。


「尾崎さん。
この人・・・北原望さんは、俺がずっと一緒にいたいと思っている人」


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