【完】アニキ、ときどきキス
「うちのクラスの子が、万引きで補導されたって。
保護者に連絡がつかないから、迎えにきてくれないかって」


「え!?じゃあ、今すぐ行きましょう!
僕、車まわして来ますから。
北原先生は玄関で待ってて下さい!
・・・・・・僕も一緒に行きます。
しっかりして下さい」


呆然としている私の両肩を、山田先生がポンと力強く叩く。

山田先生の手からパワーが伝わってくるみたい。


そうだよね。
担任の私がしっかりしなくてどうする!


「ありがとうございます」


私は山田先生にペコリと頭を下げた。

山田先生はニッコリと微笑むと、自分の教卓の上から車の鍵を取り握りしめ、駆け足で職員室を飛び出した。


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