【完】アニキ、ときどきキス
尾崎さんが私をマジマジと見つめる。


「担任の先生変わられたんですね。
随分若い先生になったもんだ」


尾崎さんはフウとため息をつきフッと笑った。

私はそんな尾崎さんにムッとしたが、ここは遥のためにも堪えたい。


「この度は、申し訳ございませんでした。
私の指導不足です」


私は深く頭を下げた。


「・・・・・・まあ、本人も認めて反省もしてるし、今後こんなことがないようにしっかり指導して下さい。
ただ、こう何度も続くとね・・・・・・」


尾崎さんはポリポリと頭を掻き、胸ポケットからボロボロの手帳を取り出した。


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