刀人―巡りめく戦乱の中で―
私のせいで、周りの人間まで巻き込んで……。
もう、誰も失って欲しくないというのに。
「オメェ以外は要なしだからな」
昼間の明るさとは打って変わって悲しみに俯いていると予想外の言葉が加えられた。
思わず驚きを口から出しそうになったが慌てて留める。
ということは、私を生かして周りを殺すと相手が言っていることになる。姫であるという価値を宝として奪おうということなのか。
ひやりと米神近くから汗が流れるのを悟られないよう、ゴクリと小さく唾を飲み、虚勢と思わせない態度で相手に臨む。
「では、取り引きを致しませんか?」
「取り引きだぁ?」
素っ頓狂な声を上げた重祢にまだ可能性があるとばかりに祭は強気に出る。
「はい、私は貴方に付いていきます。……その代わりこの者達を殺生しないと約束して頂きたいのです」
もう、誰も失って欲しくないというのに。
「オメェ以外は要なしだからな」
昼間の明るさとは打って変わって悲しみに俯いていると予想外の言葉が加えられた。
思わず驚きを口から出しそうになったが慌てて留める。
ということは、私を生かして周りを殺すと相手が言っていることになる。姫であるという価値を宝として奪おうということなのか。
ひやりと米神近くから汗が流れるのを悟られないよう、ゴクリと小さく唾を飲み、虚勢と思わせない態度で相手に臨む。
「では、取り引きを致しませんか?」
「取り引きだぁ?」
素っ頓狂な声を上げた重祢にまだ可能性があるとばかりに祭は強気に出る。
「はい、私は貴方に付いていきます。……その代わりこの者達を殺生しないと約束して頂きたいのです」