部屋替屋
「どうする。」

ちよは埃を避けるため早々に部屋を出て、外に出しておいた山田の顔を覗き込んでいた。

住吉は急いで二人のいる所へ駆け寄る。そのせいで埃が舞い、ちよは不機嫌そうにした。


「ほこり。」

「ごめん。」

不甲斐無い顔で謝ると、またも埃で咽ながら山田の方を向き、起きそうに無いことを確認する。

「ちよさん、やりすぎだよ。」

どすっ!

綺麗な手毬が住吉の顔にぶつかり眼鏡がずり落ちる。幼い顔が痛そうな表情をする。これではこの道場の小学生コースに入れられてしまいそうだ。

「とりあえず道場に寝かせておけば大丈夫だよね、ちよさん。」
「はやく。」
「はい。」
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