部屋替屋

「ちよ様、住吉君お疲れ様でした。」

 白髪の混じった短髪、鋭い瞳は目元の深い皺で隠している。それでも一見深刻そうな顔にとれるが、柔和な雰囲気で包まれているため、初対面以外にはとても穏やかで安心感を持たせてくれる。

「宅間さん、あの…。」

「お茶でも飲みましょうか。」

 住吉は開いた口を閉じ、宅間の後に続いて客間へ向かった。宅間の家では無いのにこの様に振舞う。住吉が気づいた頃には宅間がいたので、全く違和感が無い。

 山田道場にあった和室に似た部屋には六人用のテーブルがあり、後から来た居鈴が住吉とちよのためにお茶を出した。

「ありがとう、居鈴。」

「ふふ、火傷しないでね。」

「わかった!」

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