―優しい手―




『シュウ』



そう、叫ぼうとしても口が塞がれ 声にならない声になる



縛られた手足のおかげで身動きもできない



辺りを見回すと、ガラス瓶がある。それを、どうにか使える手で拾い上げ割り その破片で縛ってある紐を裂き、解く



“シュウ、大丈夫か?”


“………ん。んんっ”



意識が朦朧とするシュウの身体の紐を解き 身体を抱える



細くやつれたシュウの身体



それでも、男の身体だ。私ひとりでは到底、追いつかれる…



そう思い シュウの身体を見つかりにくい場所に隠し



“シュウ。必ず帰ってくるから、ここにいろよ”



傷と砂でめちゃくちゃになったシュウの額に口づけをして 地上に出ることにした




『こんな所で死ねない』




グッと身体に力を溜めた



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