はつ恋
「これ美味しいよ。」


佳祐の顔を覗き込んで見た。

佳祐は泣いていた。


「佳祐。」


嫌だよ。何考えてるの?もう辛いから別れたいとか?耐えられないとか?


思わず私は叫んだ。「嫌だよ私別れたくない。離れたくないよぉ。」涙が溢れる。


佳祐が私を見た。「バカ誰が別れるなんて言った。」


「だって佳祐泣いてるから。」


「違うよ。好きでどうしょうないのに、亜子泣かせてばかりだから、自分で自分が情けなくて泣けた。」


佳祐泣かないで、私を好きでいてくれる。そばにいてくれるそれだけでいい。


「佳祐私もっと強くなる。泣かないようにする。私みんなに佳祐と付き合ってる事言えなくていい。

佳祐が好き。そばにこうしていれるだけでいい。もう少しの我慢だから、大丈夫だからね。」


佳祐が私を抱き締める。息が出来ないくらいの激しいキス。


私たちは車の中で初めて愛し合った。



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