溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~



深夜とは言え、ホテルの中ではあらゆる飲食店や娯楽施設が稼動しているせいで、静かに時間が過ぎるわけじゃない。

ロビーもまた同じ。
昼間に比べると少ないとはいえ、ざわざわした雰囲気が妙にホッとする。

重い気持ちと足取りでロビーに行くと、コーヒーを飲みながら座っている雪美がいた。

照明のせいだけじゃなく、顔色の悪さはきっと彼女の抱える緊張感…。

それに気づいても、俺には雪美を受け入れる事はできない…。
はぁ…。
雪美を嫌いなら、すぐにでも突き放すんだけどな…。

近づくと、雪美の向かいに座る男…同期の尚志に気づいた。

なんだ?
明るい笑顔で雪美に話し掛ける尚志。
夕食までは一緒にいたけど、どうしてこんな深夜にここにいるんだ…?

「…おい。どうしたんだ?」

尚志の横に腰掛けてそう聞く俺を見ると。

「近くのホールで市民オーケストラの演奏会があったから聞きに行ってたんだ。
帰りにちょっと飲んで帰ってきたら雪美がいるししゃべってたんだ」

普段から軽い口調と笑顔でムードメーカー的な存在の尚志は、俺達がここに現れた事を訝しがる事もなく、運ばれてきたコーヒーをゆっくりと飲んだ。

俺もコーヒーを注文してほんの少し気分が軽くなるのを感じながらソファに身体を預けた。
尚志がいてくれて、ホッとしてしまう俺とは逆に雪美は相変わらず強張った姿勢のまま…。

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