溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
どうにか穏やかに雪美と接してきた俺の何かが切り替わったと同時に、声も表情も変わったと思う。

低い声が自分自身から発っせられたとは思えない位に冷めている。

「俺が幸せになるには、唯一透子だけが必要だから。
雪美の気持ちを受け入れるつもりは全くないから」

多分、こんなにあっさりと冷たく拒否されるとは思わなかったんだろう。
初めて聞く俺の淡々と低い声に、言葉もなく硬い表情の雪美。

揺れる瞳に映る俺は…

きっと今まで好きでいてくれた俺じゃないはず。

冷たく拒否された言葉に戸惑いながら、いつもと違うはっきりとした俺の態度にも傷ついて…。

気持ちの揺れは相当なはず。

「雪美にしても、俺と一緒にいても幸せにはなれない。
…わかってるか?
雪美の事をただひたすら愛して、雪美もその男をまっすぐに唯一愛せるっていう相手と出会うのが幸せだから。

その相手は俺じゃない」

「…そんな…とどめ刺さないでよ」

涙を浮かべて、ひくっひくっとしゃくり上げ始めた雪美を、俺と尚志はただ黙って見守った。

「今まで優しくしてくれてたのに…。
仕事中は私を特別みたいにつきあってくれてさ。

彼女とお揃いの指輪外さなくても…まだまだ大丈夫って…

思っちゃうじゃない…」

たどたどしい言葉に申し訳なさを感じつつも、

「たとえ雪美を傷つけても、俺が選ぶのは透子だから」

もうわかってくれてるだろう雪美に、痛みを重ねるように話す俺って、本当に嫌な男。
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