溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
尚志の言う事が理解できない。
どうして仕事を楽しむ事に抵抗するんだ?
同期の中でもその実力は群を抜いていて…というか俺や雪美も含めて、今フランスに派遣されているメンバーは皆、ある程度の成績を残している優秀なメンバー。

そんな順調にこなしている仕事が楽しいのなんて不思議でもないだろ?

首を傾げる俺に軽く視線を投げて、尚志は

「ただただ彼女の事を大切にして、彼女がいればそれで幸せっていう濠にはわからないか…。
自分の一番大切にしようとしているものがわかってて素直に従えるなんて…いい人生だよ」

「…普通じゃないのか?」

「俺は…音楽が人生の全てだと思って生きてきたから…挫折した後で、それ以上に楽しいと感じるもの…俺は仕事だけど…を見つけた時それを受け入れられなかったんだ」

コーヒーを飲んで、気持ちを落ち着けようとしている尚志の言葉をじっと待つ…。

少しずつ…わかるような気がしてきた…。

「音楽以上に俺が楽しめるものを認めるってのは…それまで必死で努力したものや犠牲にした時間をなかったもんにするって事だから、純粋に仕事を楽しんじゃいけないってガードしてたんだ」

「そんなに頑なにならなくても…単純に仕事を楽しめないのか?」

「…今まで両親が払ったお金や時間…仕事のし過ぎで体を壊した姿も見てる…。
それなのに、俺が今の仕事を楽しめるわけないだろ…。

って思ってたんだ。
でも、そうじゃない。

俺の人生が幸せなら…
俺を支えてくれた両親の幸せにもなるって知ったから、もう何でも来いって感じ。
楽しめるもんは貪欲に楽しんで、親にもそんな俺を見てもらう」

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