溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~



夜明けも近い時間、ようやくベッドに潜りこんで。

頭に浮かぶのはやっぱり透子の愛しい顔。
そんなに感情を顔に出さないけれど、俺に対する気持ちだけは理解できる。
俺を愛して愛して。
ただその想いだけを全ての基準にしているってわかってる。

本当に俺は幸せだと思う反面、もしもあの日…
10年前のあの日に、透子と偶然再会してなければどうなっていただろうと恐ろしくなる。

仕事帰りにたまたま健吾と寄った店にいた透子。

気付けば透子を腕の中に閉じ込めていた。

高校最後の年に原因不明の聴力障害を発症して入院していた俺に、明るい笑顔と青くさく切ない感情を与えてくれた透子に
徐々に惹かれていった。

単なる中耳炎で入院しているとばかり思っていた勘違い野郎の俺の目の前で倒れた透子。

即手術。

…心臓の病気だと聞かされた後、手術室の前で待つ俺の心臓も壊れそうだった。

倒れる瞬間…はかなく顔色の悪い透子がもう俺の側に戻ってこないんじゃないかと…俺の体中が痛みと恐怖で吐きそうだった悪夢は今でも忘れられない。

透子がいなくなる…そんな事は俺が許さない…。

好きになったと気づいて間もないのに、俺の側から消えてしまうなんて許さない。
許さないから…頼むから助かってくれ。

入院してすぐに、俺の状態に戸惑って去っていった彼女に気持ちが残っているんじゃないかと…
正直透子に対して確固たる愛情があるのかどうか不安定ではいたけれど。

情けないかな…。

透子が倒れて気づいた猛烈な愛情。

< 116 / 341 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop