溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「じゃ、ちゃんと送り届けてくれよ。
明日は少し遅くなるから店頼むな」
「はいはい。大丈夫ですよ。
瞳さんとっくにエレベーターで待ってるみたいですから行って下さい」
「あ…あいつ…。
じゃ、頼んだぞ。
透子ちゃん、濠くんに礼言っておいてくれよ」
ホテルのロビーを軽く走っていく有二ぱぱ。
エレベーターで待ってる母さんが満面の笑みで私と玄太くんに手を振っている。
その嬉しそうな様子に苦笑しながら手を振り返して小さくため息。
「ごめんね。私ならタクシーで帰るのに」
隣の玄太くんに小さく手を合わせる。
「いいよ。店長が透子を心配し過ぎるくらいに大切にしてるのはわかってるしな」
「…まあね…」
二人して、地下の駐車場に向かう。
濠の配慮で、アマザンに部屋を予約してもらっていた母さん達は今晩泊まって帰るという事で。
有二ぱぱのお店の美容師さんの玄太くんを呼び出した。
タクシーで帰れるという私の話になんて耳を貸さず、さっさと電話してから30分後には玄太くんがやってきた。
濠がいれば濠を呼び出すけれど、今日みたいに濠がいない時には当たり前のように私の送迎をさせられる玄太くん…。
「…で?今日濠さんはどうしたの?」
「フランスに出張で…」
ホテルを出た車は大通りを走っている。
助手席から見る玄太くんは、真っすぐ前を見ていて運転に集中しているけれど、その横顔にはどこか笑いを我慢しているような…。
「慣れてるからいいけど、俺が結婚できないのは店長のせいだよな」
「えっ?玄太くん結婚するの?」
軽い口調の玄太くんは、ちらっと私を見て
「んー。彼女といる時に透子迎えに行ってくれ
なんて電話あって素直に行ってたら…まぁ彼女に振られても仕方ないよな」
「…っ。そんな事…あった?」
「くくっ…。まあ、何度か」