溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
暗い車内で時々光るピアス。キューブの形をしたシルバー。
小さめのあっさりとしたデザインが気に入って玄太くんにプレゼントした。確か五年くらい前かな。高校卒業後、美容師になるための専門学校に通いながら有二ぱぱのお店で働き始めた後、相当の努力をしたと思う。

異例の早さでお店でお客様から指名をしていただけるスタイリストになった。
年が近いせいか、ずっと
仲良くしていた私もかなり嬉しくてお祝いにピアスをあげたんだ…。

あの時から随分経った今でも使ってくれてる事がすごく嬉しい。

「…私も、これ大切にするね」

両手でそっと包んだハート。
ペーパーウェイトだけに重さは結構あるけど、その重さ以上に玄太くんとの短くはない付き合いの重みを感じてしまって
気持ちが優しくなる。

大切に、ゆっくりとハートの重みを袋に戻した途端に、携帯の着信音が鳴り響く。
玄太くんと二人、まったりとした空気の中でぼんやりとしていたせいかびっくりしてしまった。

「あ、私だ…ごめんね」

足元に置いていた鞄から慌てて取り出した携帯の画面には、番号非通知の表示。
あ…もしかしたら…。

「もしもし。…濠?」

期待するような声が出てしまって、はっと横を見ると玄太くんが苦笑してる。

『予想通りの声で笑える…』

携帯からは明るく笑ってる濠の声が聞こえてきて嬉しくなる。

「お疲れ様。もう仕事終わったの?」

『あぁ。今日は早めに終わって部屋に戻ったとこ。今からみんなで観光に行くんだけどな』

「そうか…みんな…」

みんな…その中にはきっと、雪美さんもいるんだろうな…。そんな当たり前の事が私を一瞬にして落ち込ませる。
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