溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
『ん?何かあったのか?』

「え?ううん何もない」

普段から私の変化に敏感な濠の心配げな声を聞いて、慌てて答えた。
電話ごしにでも私の声音を聞き分ける濠が愛しくなってしまう。

『離れて寂しいか?』

「あ…あのね…」

『無駄に複雑に色々考えてるみたいだけど、本当に無駄だから。
何しようが結局は逃げられないから腹くくって思い切り寂しがってろ』

「…ずるい。
そうやって…嬉しがらせといてさ…」

『…は?ずるい?』

しまった…。
濠からは逃げられないって事、本人から言われて照れながらも嬉しいくせに。
健吾さんからも、まるで濠に言われてるかと錯覚するような雰囲気で、

『濠に縛られるよ』

みたいに言われた…。

それはそれでこそばゆくて嬉しい事。
私だって濠からは逃げられないんだろうって思う…。
思うよ…。

でも、それならどうして。

「…お見合い…したのに?
私以外の人との未来を考えたのはどうして?」

言うつもりもなかったのに。
濠に問い詰める事…それも電話でなんてする気なかったのに。

離れてる寂しさと、今側にいてるに違いない雪美さんの存在のせいかな…。思わず…意地悪な口調で…言ってしまった。

『お見合いって…聞いたのか?』

一瞬口ごもったけれど濠は、私の拗ねてるテンションとは対照的に、何故か落ち着いた声。

『見合いの事、知ってたのか?』

「うん…たまたま聞いたの」

創立記念パーティーで雪美さんからの告白を受けてる濠を見てしまって。
それだけでも心臓痛かったのに、お見合いする事まで雪美さんから聞かされた。

近くに体を潜ませながら聞かされる私の心臓は壊れそうに痛くて。

身動きできなくなるほどの衝撃だった。
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