溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「なかなか結婚しないから、そのうち別れるってふんでたんですけど甘かったですね。
そんな指輪つけて並んでるの見たら奪いようがないでしょ」
「…えっと…」
冬李の言葉が頭をぐるぐると回ってる。
《奪う》
って言ったよね…確かに。
それって私を《奪う》って事…?
え…?
何も言葉を出せないままに冬李を見つめるしかできないでいると、真面目な視線で私に気持ちを送っていた冬李の緊張がふっと解けたのを感じた。
「…せめて透子さんと同期なら、可能性あったんでしょうけど。
この世に出遅れました」
肩をすくめて笑う声は決して湿っぽいものではなくて、冗談とも本気ともとれる。
私にここまで親しく話してくれる事自体初めてに近いし…更に戸惑ってしまう。
「透子さんが好きだったんですよ。入社してからずっと」
「え…」
「透子さん本社にいなかったから、接点少なくて何もしなかった自分が悔しいです。気になって仕方なかったのに」
「冬李くん…」
切なく見つめる冬李の瞳をまともに受け止めながら、慣れてない状況に圧倒されていた。
冬李くんは、私が担任として新人教育をした班のリーダーで当時からしっかりとしているまとめ役。昴と同じ班で、陽の部分で女の子に人気のあった昴に対して、穏やかに静の部分で隠れファンの多かった冬李。
なかなか一緒に仕事をする機会はなかったけれど、設計デザインコンクールでは入賞の常連で。
社内でも名前をよく聞いていた。
「あ…あの…ありがと」
やっと出た声はあまりに小さくて、ちゃんと冬李くんに聞こえたのかどうか…。
それでも、それが私の精一杯で、きっと揺れてるに違いない瞳を冬李くんに向けた。
「ありがとう…でも…」
私には濠がいるから…。
その気持ちを言葉の後ろに込めながら。
冬李くんと反対隣にいる濠に顔を向けた。
途端。
どう見ても不機嫌な顔を私に向けている濠と目が合った。
今までかなりの笑顔を周りに見せながら飲んでたのに。
その変化にびっくり…。
「悪いな。たとえ透子と同期入社だったとしても無理だから」
濠は、表情を繕う事なく低い声を…冬李くんに向けた。
そんな指輪つけて並んでるの見たら奪いようがないでしょ」
「…えっと…」
冬李の言葉が頭をぐるぐると回ってる。
《奪う》
って言ったよね…確かに。
それって私を《奪う》って事…?
え…?
何も言葉を出せないままに冬李を見つめるしかできないでいると、真面目な視線で私に気持ちを送っていた冬李の緊張がふっと解けたのを感じた。
「…せめて透子さんと同期なら、可能性あったんでしょうけど。
この世に出遅れました」
肩をすくめて笑う声は決して湿っぽいものではなくて、冗談とも本気ともとれる。
私にここまで親しく話してくれる事自体初めてに近いし…更に戸惑ってしまう。
「透子さんが好きだったんですよ。入社してからずっと」
「え…」
「透子さん本社にいなかったから、接点少なくて何もしなかった自分が悔しいです。気になって仕方なかったのに」
「冬李くん…」
切なく見つめる冬李の瞳をまともに受け止めながら、慣れてない状況に圧倒されていた。
冬李くんは、私が担任として新人教育をした班のリーダーで当時からしっかりとしているまとめ役。昴と同じ班で、陽の部分で女の子に人気のあった昴に対して、穏やかに静の部分で隠れファンの多かった冬李。
なかなか一緒に仕事をする機会はなかったけれど、設計デザインコンクールでは入賞の常連で。
社内でも名前をよく聞いていた。
「あ…あの…ありがと」
やっと出た声はあまりに小さくて、ちゃんと冬李くんに聞こえたのかどうか…。
それでも、それが私の精一杯で、きっと揺れてるに違いない瞳を冬李くんに向けた。
「ありがとう…でも…」
私には濠がいるから…。
その気持ちを言葉の後ろに込めながら。
冬李くんと反対隣にいる濠に顔を向けた。
途端。
どう見ても不機嫌な顔を私に向けている濠と目が合った。
今までかなりの笑顔を周りに見せながら飲んでたのに。
その変化にびっくり…。
「悪いな。たとえ透子と同期入社だったとしても無理だから」
濠は、表情を繕う事なく低い声を…冬李くんに向けた。