溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
濠の部屋に帰った時には、土曜日になってかなり経っていた。
タクシーで迷う事なく自分の部屋へ帰る濠には、私のこの一週間がわかってるんだなとなんとなく感じる。
新しい私の部屋には、引っ越して以来行ってなくて、この先どうしようかと…濠に相談しないわけにはいかないし。
ぼんやり考えながら、濠の部屋に入って。
ベランダに続く窓を開けると、朝干したままの洗濯物が揺れている。
「やっぱり、ずっとこの部屋にいたんだな」
後ろから抱きしめられて、首に濠の吐息を感じると途端に甘くて緩い気持ちが溢れてくる。
揺れている洗濯物は、私がこの部屋で過ごしていたって濠に教えている。
しばらく、私の肩に顔を埋めたままで動かない濠に体を預けていると、どうしてこの一週間を濠の体温なしに過ごせたのか不思議に思える。
今こうして抱きしめられている瞬間が私の生きる全てだと言ってもいいくらいに濠に依存している私の真意。
「…濠…私…」
「ん…?」
小さな呟きを返されて、瞬間に感じる首筋の痛み。
「…やだ…」
「いいだろ…これくらい。もう結婚するんだから」
また感じる痛み…。
多分、服で隠せない所に浮かび上がってるはずの赤い花。
「ねえ…濠…?」
痛みと一緒に生まれる甘い疼きを体中に感じるけど…ようやく出る声…、
濠…聞こえてる…?
「何…?とりあえず、一週間分の透子を愛したいんだけど…」
いつの間にか濠に向かい合って抱きしめられていて、唇に落ちてくる熱い吐息に私の言葉は吸い取られる。
「濠…待って…」
体をぎゅっと拘束される感覚に溺れそうになる…。
背中を這う指先に痺れる。
「何…?ようやく全部告白する気になったか?」
ん?と見つめる瞳。
私の顎を掴んで視線を反らせないままに、二人の額を合わせて。
「さあ、この半年の透子の秘密を吐け…」
くくっと笑うと、思い出したように
「まぁ、大体のネタはあがってるんだ。
告白大会の始まりだな」