溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
その日の夜、彩香ちゃんと昴から会社での透子の事を聞いて。
本当なら週末からの出張が控えているせいで残業確実だと覚悟していたけれど、一旦自分の部屋に帰ってスーツケースに荷物を詰め込みパスポートも持って。
透子の部屋に行った。
合鍵で入った部屋はまだ真っ暗で、もう11時を回っているのに残業らしい。
スーツケースをリビングの端に置いて、ポケットから折りたたんだ紙を取り出す…。
自分の気持ちに反して出てしまうため息をとめることもせず、ネクタイを緩めながらソファに腰を下ろした。
夕方彩香ちゃんと昴からもらったこの紙には、透子の新しい住所が書かれている。
今住んでるこのマンションからもさほど遠くない。
本社に異動するからといって無理に引っ越す必要もないと思える。
『この週末に引っ越しをしたいからって人事に無理を言って引っ越し業者さんを手配したらしいですよ』
彩香ちゃんのその言葉を思い出して、気持ちが更に重くなる。
もともと本社勤務だった彩香ちゃんには人事に同期がいるらしく、無理を言って透子の新しい住所を聞き出してもらった。
…俺の愛情をなめるなよ…。
このまま透子の好きにさせる訳ないってわかってるんだろ…?
なぁ、透子。