溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「でも…私が倒れて手術になったのは自分のせいだって濠は思ってる。
罪悪感を感じて私を大切にしてる…。
あ…私をちゃんと大切にして…愛してるってわかってるけど、その気持ちの土台には罪悪感があるって感じてた」
少しは穏やかになってきたように聞こえる声。
けれど、相変わらず透子が口にする想いはどこかずれている。
罪悪感って持ってないのにな。
持ってるとすれば、俺が透子に隠していたあらゆる不安。
ずっと、透子の鼓動によってもたらされていた安心感。
朝目が覚めると同時にホッと息をつく事ができる喜び。
とにかく、透子を落ち着かせて理解させないとな。
透子のはかない視線をゆっくりと受け止めて。
今まで俺の中によどんでいた暗い感情をたぐりよせながら…。
話し始めた。
「確認なんだ。透子の心臓の音を聞くのは。
…俺が透子を幸せにできるっていう確認」
敢えて軽い口調になるように意識しながらも、気持ちはどこか重い。
「…確認?」
まだ涙声の透子に小さく頷いて。
「朝が怖いんだ。
目が覚めると音のない世界にまた戻ってるんじゃないかって不安がいつもある」
「え…」
はっとしたように目を大きく見開く透子に笑ってやる。
それでもまだ何も言えないように、ただ俺を見つめるだけ。
「朝、目が覚める時が一番不安になる。
ちゃんと音が聞こえるのかどうか…一瞬だけど
突然耳が聞こえなくなった朝を思い出すんだ。
それまでの俺の世界から全く切り離された孤独な世界に落とされた朝。
…何年経っても…そうなんだ」
ふっと息を吐いても…。過去の悲しい記憶を引きずり出す度に襲ってくる不安は拭えない。
眠りからさめていくと意識のどこかで感じながら現実の世界に戻る朝は、音が聞こえなかったら…
また、あのつらく寂しい世界に戻る事になったらと思うと体ごと震えて心臓は痛くて。毎朝そんな思いをはねのけようとしながら意識を目覚めさせる。
もう、ずっと。
「目が覚めていく時間の緊張感を取り除くには、何か音を聞いて安心する事なんだ。
まず何かを聞き取らないと不安でたまらない」
「濠…」
罪悪感を感じて私を大切にしてる…。
あ…私をちゃんと大切にして…愛してるってわかってるけど、その気持ちの土台には罪悪感があるって感じてた」
少しは穏やかになってきたように聞こえる声。
けれど、相変わらず透子が口にする想いはどこかずれている。
罪悪感って持ってないのにな。
持ってるとすれば、俺が透子に隠していたあらゆる不安。
ずっと、透子の鼓動によってもたらされていた安心感。
朝目が覚めると同時にホッと息をつく事ができる喜び。
とにかく、透子を落ち着かせて理解させないとな。
透子のはかない視線をゆっくりと受け止めて。
今まで俺の中によどんでいた暗い感情をたぐりよせながら…。
話し始めた。
「確認なんだ。透子の心臓の音を聞くのは。
…俺が透子を幸せにできるっていう確認」
敢えて軽い口調になるように意識しながらも、気持ちはどこか重い。
「…確認?」
まだ涙声の透子に小さく頷いて。
「朝が怖いんだ。
目が覚めると音のない世界にまた戻ってるんじゃないかって不安がいつもある」
「え…」
はっとしたように目を大きく見開く透子に笑ってやる。
それでもまだ何も言えないように、ただ俺を見つめるだけ。
「朝、目が覚める時が一番不安になる。
ちゃんと音が聞こえるのかどうか…一瞬だけど
突然耳が聞こえなくなった朝を思い出すんだ。
それまでの俺の世界から全く切り離された孤独な世界に落とされた朝。
…何年経っても…そうなんだ」
ふっと息を吐いても…。過去の悲しい記憶を引きずり出す度に襲ってくる不安は拭えない。
眠りからさめていくと意識のどこかで感じながら現実の世界に戻る朝は、音が聞こえなかったら…
また、あのつらく寂しい世界に戻る事になったらと思うと体ごと震えて心臓は痛くて。毎朝そんな思いをはねのけようとしながら意識を目覚めさせる。
もう、ずっと。
「目が覚めていく時間の緊張感を取り除くには、何か音を聞いて安心する事なんだ。
まず何かを聞き取らないと不安でたまらない」
「濠…」