溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
意外に冷静に話を聞いてるなと…思っていた。
固まった体からは、落ち着いた意識しか見えなかったけれど。
透子の瞳から少しずつ溢れてくるのは涙だけじゃなくて…何かもっと強い意思。
俺をじっと見据えて唇をぎゅっと結んで。
無言の圧力。
そらす事なく、小さく肩を震わせている。
「…悪かった。俺の耳が完治してるのかはっきり自信が持てないままに縛り付けてた。
手放せない俺の気持ちを優先して透子の人生を決めてしまったな。
でも…透子がいなきゃだめなんだ」
半分謝罪。
半分切望。
透子への申し訳なさと、それでも愛する事を、側にいてくれるよう願う気持ちで揺れる言葉…。
俺には、透子しかいない。
今まで以上に強く感じる。
「…愛してるから、側にいてくれ」
「それだけでいいのに。
たったそれだけを言ってくれたら、私は何があっても濠から離れないのに…。
何も悩まなくていいのに」
「…え」
「どうして免罪符なんかがいるの?
私は濠が単純に私を愛してくれていたら、それだけで幸せなのに。
耳の事で私の気持ちが変わるとか、私を幸せにできないとか勝手に不安にならないでよ。
私だって濠がいなきゃだめなのに」
「…透子…」
「朝、私の心臓の音を聞いて安心したような顔してるの気づいてた。
あの日、私が心臓の発作で倒れたのは自分のせいで…罪悪感を持ってて…いつも私の鼓動を確認してホッとしてるんだと思ってた。
だから側にいてくれてるんだって思ってた」
低い押さえた口調に、透子がどれだけ本気でそう思っていたのかが伝わってくる。
華奢な体全部で訴えてくるような重い響きに何も言えなくなる。
「濠が耳の事を不安に思ってるのもわからなかったし、結婚したいって思ってるのも気づかなかった。
…ずっと一緒にいたのに」
抑揚を抑えた口調を無理矢理作っているのがわかる。
怒りや悲しみを露骨に出さないように、それでも溢れてくる想いを止められないんだろう。
そうさせているのは俺なんだよな。
固まった体からは、落ち着いた意識しか見えなかったけれど。
透子の瞳から少しずつ溢れてくるのは涙だけじゃなくて…何かもっと強い意思。
俺をじっと見据えて唇をぎゅっと結んで。
無言の圧力。
そらす事なく、小さく肩を震わせている。
「…悪かった。俺の耳が完治してるのかはっきり自信が持てないままに縛り付けてた。
手放せない俺の気持ちを優先して透子の人生を決めてしまったな。
でも…透子がいなきゃだめなんだ」
半分謝罪。
半分切望。
透子への申し訳なさと、それでも愛する事を、側にいてくれるよう願う気持ちで揺れる言葉…。
俺には、透子しかいない。
今まで以上に強く感じる。
「…愛してるから、側にいてくれ」
「それだけでいいのに。
たったそれだけを言ってくれたら、私は何があっても濠から離れないのに…。
何も悩まなくていいのに」
「…え」
「どうして免罪符なんかがいるの?
私は濠が単純に私を愛してくれていたら、それだけで幸せなのに。
耳の事で私の気持ちが変わるとか、私を幸せにできないとか勝手に不安にならないでよ。
私だって濠がいなきゃだめなのに」
「…透子…」
「朝、私の心臓の音を聞いて安心したような顔してるの気づいてた。
あの日、私が心臓の発作で倒れたのは自分のせいで…罪悪感を持ってて…いつも私の鼓動を確認してホッとしてるんだと思ってた。
だから側にいてくれてるんだって思ってた」
低い押さえた口調に、透子がどれだけ本気でそう思っていたのかが伝わってくる。
華奢な体全部で訴えてくるような重い響きに何も言えなくなる。
「濠が耳の事を不安に思ってるのもわからなかったし、結婚したいって思ってるのも気づかなかった。
…ずっと一緒にいたのに」
抑揚を抑えた口調を無理矢理作っているのがわかる。
怒りや悲しみを露骨に出さないように、それでも溢れてくる想いを止められないんだろう。
そうさせているのは俺なんだよな。