溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
そんな、有名な透さん…。
多分私と面識はないはず…なのにどうして結婚式に出席してくれるんだろう。
濠とも繋がりがあるとは思えない。
相模さんは逡巡する私の思いに気付いたように
「透くんは、小山内さんに憧れてたんだよ。
小山内さんが仕事をしていた設計事務所の所長は、葵や透くんを育ててくれた夫婦で、小山内さんも葵や透くんを可愛がってくれてたんだ」
「そうなんですか…」
「特に透くんは、小山内さんの設計を間近で見る機会が多かったみたいで、崇拝に近い気持ちじゃないかな」
「崇拝…」
少し、胸が痛い。
小山内竜臣という名前の知れた建築家と血の繋がった娘である私には記憶のかけらも残っていないのに、赤の他人である透さんには私なんか比じゃないほどに濃い歴史がある。
小山内竜臣という人と。
産まれてすぐに離れて暮らしていたんだから仕方ないってわかってるし、そんな痛い感情を私が抱くなんて思いもよらなかった。
接点のなかった過去を振り返っても、父の体温も姿も浮かばないんだから当たり前だけど…。
ここ半年で溢れてくる父への感情は単純なものじゃない。
父から注がれていた私への愛情を知るにつれて溢れる後悔の念。
生きていく中で大切にしていたに違いない主義主張を抑えこんでまで参加してくれたコンクール。
私の体の為に大賞をとってくれた父親の愛情の深さを思う度に、父の人生を切なく感じてしまう。
母さんと結婚した時。
私が産まれた時。
心は幸せを感じていたのかと、聞く事もできない問いを何度も繰り返してしまう。
私が健康に生きていけるように願かけをしながら臨んだコンクールも、大賞をとってしまったせいで人生の軸を変えてしまう結果になった。
父さんと呼びかけても答えはないけれど、思わずにはいられない。
あなたは、幸せだったんですか…?
「小山内さんの娘が俺の部下だって知って、透くんは結婚式でお祝いをさせて欲しいって言い出して。
真田くんにお願いしたんだ」
「そうですか…」
曖昧に笑うしかできない私の様子を気遣ってか、相模さんも柔らかく笑うだけで。
「俺も、小山内さんの娘さんの門出を祝えて嬉しいよ」
そう。
たとえ過去がどうであっても私は小山内竜臣の娘なんだ。
多分私と面識はないはず…なのにどうして結婚式に出席してくれるんだろう。
濠とも繋がりがあるとは思えない。
相模さんは逡巡する私の思いに気付いたように
「透くんは、小山内さんに憧れてたんだよ。
小山内さんが仕事をしていた設計事務所の所長は、葵や透くんを育ててくれた夫婦で、小山内さんも葵や透くんを可愛がってくれてたんだ」
「そうなんですか…」
「特に透くんは、小山内さんの設計を間近で見る機会が多かったみたいで、崇拝に近い気持ちじゃないかな」
「崇拝…」
少し、胸が痛い。
小山内竜臣という名前の知れた建築家と血の繋がった娘である私には記憶のかけらも残っていないのに、赤の他人である透さんには私なんか比じゃないほどに濃い歴史がある。
小山内竜臣という人と。
産まれてすぐに離れて暮らしていたんだから仕方ないってわかってるし、そんな痛い感情を私が抱くなんて思いもよらなかった。
接点のなかった過去を振り返っても、父の体温も姿も浮かばないんだから当たり前だけど…。
ここ半年で溢れてくる父への感情は単純なものじゃない。
父から注がれていた私への愛情を知るにつれて溢れる後悔の念。
生きていく中で大切にしていたに違いない主義主張を抑えこんでまで参加してくれたコンクール。
私の体の為に大賞をとってくれた父親の愛情の深さを思う度に、父の人生を切なく感じてしまう。
母さんと結婚した時。
私が産まれた時。
心は幸せを感じていたのかと、聞く事もできない問いを何度も繰り返してしまう。
私が健康に生きていけるように願かけをしながら臨んだコンクールも、大賞をとってしまったせいで人生の軸を変えてしまう結果になった。
父さんと呼びかけても答えはないけれど、思わずにはいられない。
あなたは、幸せだったんですか…?
「小山内さんの娘が俺の部下だって知って、透くんは結婚式でお祝いをさせて欲しいって言い出して。
真田くんにお願いしたんだ」
「そうですか…」
曖昧に笑うしかできない私の様子を気遣ってか、相模さんも柔らかく笑うだけで。
「俺も、小山内さんの娘さんの門出を祝えて嬉しいよ」
そう。
たとえ過去がどうであっても私は小山内竜臣の娘なんだ。