溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「俺のもんだけど。
透子は間違いなく俺のもんだけど、俺より透子をわかってて…俺に負けないくらいに透子を大切に思ってるもんな…有二さん…本当妬ける」

有二パパが用意してくれたスーツを睨むように呟く濠は、照れるのか、視線を合わせない。
肩にかけたタオルを外して、そのタオルで顔を隠してベッドに寝てしまった。

「濠…?」

ゆっくりと濠の横に体を並べて、私も寝ながら。
濠の顔を隠すタオルをそっとはずした。

目を閉じた濠は、私の動きに何の反応も示さないまま…そしてしばらくすると手の甲を目に当てて隠した。

「有二さんもだし…喬だっけ?透子の同期。
あいつだって透子を大切にし過ぎだ」

「…え…喬…?」

思いがけない名前。
喬…って言ったよね。

相変わらず読めない濠の表情を見入るけれど、そこからは不機嫌な気持ちが伝わるだけで。

「喬って何の事?」

濠の体を揺すってみた。

「喬って男も透子を好きで大切だって事。
そんなの何度も会ってたらわかる。
透子を見る目とか態度ですぐ気がつくだろ」

「…気がつかないし…
喬には彼女いるよ」

全くそんな事あるわけない。
確かに入社してから今まで近い場所で、お互いに切磋琢磨して過ごしてきて。私の悩みも一緒に考えてくれたり。
濠との関係を理解しながらも怒ったり呆れたり。時には私じゃなく濠の味方になって叱りとばしてくれた。
私が濠に黙って引っ越しを決めた時も、有無を言わせない勢いで反対された。
どちらかと言えば、私を見守る兄貴ってポジションで側にいてくれた。
厳しい言葉と態度で成長させてくれながら、大きな優しさで包み込んで。

そんな喬が私を大切にしてくれているのはわかるけど、濠が妬くっていう意味ではずれてる気がする。

「喬には、いつも彼女がいるよ…。まあ、あんまり長続きしてないけど」

「彼女いたって透子を欲しがってる気持ちはあるだろ」

「ほ…欲しいって…。
そんなのないよ、第一濠の事知ってるし、どっちかと言えば私より濠の味方してる…」

「…俺といる方が透子は幸せだって、受け入れてるからだろ」

「そんな事…」

「自分の気持ちよりも
透子の想いを優先させるほど大切にしてるんだ。…俺が透子を愛してるからわかるんだ。

同じ気持ちだからな」
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