溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「仁科さんから小山内さんの事を聞いても、結局は有さんと二人で解決してるし、俺が側にいなくても大丈夫だもんな」

「え…?濠…?」

「一人で勝手にいろいろ決めて、こんな大きな賞までとってるし」

小さいながらも低い声は、今まで聞いた事もないように沈んでいて。
どこか切ない口元に、胸が痛くなる。

そんなつもりはないのに、濠がそう感じてるなんて思ってもみなかった。
濠がお見合いをするって聞いた事をきっかけに、引越しや異動、コンクールに参加…。

振り返ったら、恋人の濠を無視して決めて行動した私の一人よがりににも思える過去が浮かんできた。

ごめんなさい…って、言葉が心に溢れてくる。
これまで、きつく問われる事なく過ぎる事に甘えて曖昧にしていた。
濠が傷ついているのもわかっていたけれど、自分の気持ちの浮き沈みに流されるように…忘れてるふりをしていた。

「ごめんなさい…。
濠が心配してくれてるのはよくわかってるし…嬉しい」

一人で大丈夫なんて思ってない。
濠に寄り添って生きる以外の未来を望んでなんていない。
愛してるなんて単純な想いだけじゃない。

「大切な人…たくさんいるけれど…小山内竜臣っていう父親や有二パパ…母さんもだけど。

それでも、一緒に幸せになりたいっていうのは濠だけ。
離れられないのも濠だけだから…。

それに、濠がいるから一人で泣く事もできるし立ち直る事もできるから。安心して悩めるの、わかって…?

愛しすぎてたまらないのは濠だけだから」

周囲の喧騒の中で、小さなか細い声で…俯きそうになる気持ちをこらえて。

ようやく吐き出す私の気持ち。

恥ずかしさに負けそうになるけど…それ以上に、濠を傷つけていた申し訳なさの方が勝ってしまった。

きっと、紅い頬は、誰にでもわかってしまう…。

それでも私が大切にしなきゃいけないのは濠。






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