溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
ほんの少し、緩んだ表情に口元も微笑みも浮かべて、濠はゆっくりと私との距離を縮めた。

目の前に立つ濠を見上げた。

何かを企んでるような瞳。
一体…どうしたらいいんだろう。
戸惑ってるだけで、固まった体をどうしようもできなくて立ちすくんだまま。

そんな私をふっと笑うと、私の耳元に口元を近づけた濠。

吐息までも感じるから…甘くどきどきしてしまう。

「やっと言った。

俺だけを愛してるってちゃんとわかってたらいいんだ。

透子が間違いなく俺のもんだって、この指輪だけじゃなく体でわかってたらそれでいい」

ささやく声は、私の体の奥底まで響く。

私は濠のもの…。

なんて幸せな響き。

そっと視線を上げると、濠の肩越しに…見えるのは切なく見つめる雪美さんの姿。

ホテルの従業員の人達の中に紛れているけれど、それでもやっぱり。

私と濠を気にする様子は私には際立って見える。

まだ濠への気持ちは雪美さんの中にくすぶってるのがわかる。
客観的に見ても綺麗な女性で…仕事もできるらしい…。

何かのきっかけで、濠が雪美さんに気持ちを揺らしていたとしても不思議じゃないって感じる。

それに、雪美さんの立場からみれば、私の存在は邪魔なだけ。
濠に選んでもらえた私が幸せなだけ。

だから、もしかしたら私が雪美さんのように切なく悲しい気持ちを抱えて濠を諦めようとしていたかもしれない。

だから…何より雪美さんの想いを受け入れて、雪美さんの幸せを願いたい。

そして、今濠に愛されてる幸せをかみしめながら愛されてる事…濠の事…大切にしようと思う。

「どうした…?」

私の視線の先をたどって雪美さんに気付いた濠。

表情は変えず…そして軽く息を吐いた。
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