溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「濠…」

そっと呼びかけると、濠は雪美さんの側を離れて私の腕を掴んだ。

「司会の人が最後の打ち合わせをしたいって言ってるんだけど」

そんな雪美さんの慌てた声に、濠は軽く振り返って。

「すぐに行くって伝えて。とりあえず、透子の旦那として俺も挨拶しとくから」

「え、でも時間もおしてるし…」

「わかってる。雪美が先に聞いておいてよ。
今は透子の旦那だってのが優先度は高いから…悪い。
透子に俺の変わりはいないんだ」

申し訳なさそうに手を上げると、私の腕を掴んだ
まま相模さん達の方に歩き出した。

「ちょっと…濠、いいの?雪美さん困ってるんじゃないの?」

「困ってるだろうけどいいさ。ほとんど打ち合わせは終わってるし…雪美なら大丈夫だろ」

振り返ると、戸惑いと諦めを隠さないままに立つ雪美さんが私達を見つめながら…苦笑しつつ…肩を竦めた。

その隣には、同じように立ちつくす喬がいて。

雪美さんと顔を見合わせて…くすっと…笑ったように見えた。

同じ空気感と温度が二人に感じられる。
濠に引っ張られてもつれがちな足元に気を取られながらも、二人から目が離せなかった。

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