溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
落ち着いた濠の声は、余裕すら溢れている。

「朝の光の代わりに、ちゃんと透子が俺の腕で眠ってるからな…。

極上の一日の始まりを、これからは透子が教えてくれるなら…もしも音のない朝を迎えても受け入れられるし。

そんな俺でも、透子には必要だってわかるから。

…どんな俺でも好きでたまらないんだろ?」

「濠…」

今更だけど、こんなに決めつけの激しい男に捕われて何年も恋い焦がれてる私って、なんて…。

幸せなんだろう。

始まりは病院で。

まだまだ子供だったあの頃から今まで、気持ちは濃く深く密で。
どこまで想えば気持ちの終着点にたどり着くのかわからない。

濠以外に知らない私の恋心は、たとえ同じ名字になっても衰えるなんてない。

「…大賞とって…この建物が完成して…透子が悩みながらも頑張って…。俺にはもったいないくらいの嫁さんだから…。

もう一生手放さないし側に置く。
俺がこの先どうなっても愛せよ」

絡めた指を離すと、その胸に抱き寄せられた。

冬の夕日が輝いているのを…濠の鼓動を聞きながら見ていると、ぎゅっと抱きしめられた。
肩に感じる濠の吐息は、温かくてホッとする。

私も、そっと濠の背中を抱きしめて大きく息を吸い込んだ。

「愛せよ…なんて言われなくても愛さずにはいられないし…溺れてるから…濠に」

ふふふっと声にして笑うと、同じように笑い返してくれた。

「早く…完成したらいいな」

「うん…」

足場の向こうに見えるのは…建設中の建物ってだけじゃない。

私達の…そして、これから生活の場として精一杯に生きる多くの人の希望の明かり。

その明かりに救われて、私や濠の様に幸せすぎる未来を掴める人が一人でも多く…笑っていられますように。

ゆっくり見上げると、同じ想いを抱いてるに違いない濠の瞳。

私が溺れてやまない…瞳…。
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