溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~



例年通り年末の忙しさは相変わらず。
クリスマスなんて素通りで、私も濠も仕事で家にも帰る事なく過ぎていた。
特に、ホテル勤務の濠にはクリスマスまでの一週間は体力気力が尽きないよう…でも必死で働かなくてはならないつらい時期。

会えない夜が続くのは寂しいけれど、私も忙しさの中に埋もれながら、楽しいと思える仕事で生きている日々に感謝していた。
大賞を受賞したから…だけではないけど、意識も状況も周囲からの期待も格段に濃いものになっているのが身に染みている。
受賞者として恥じない仕事をしなきゃいけないプレッシャーも、もちろんないわけじゃないけれど。
相模さんの下で勉強させてもらいながら、私なりに着実に成長していければいいと、思いがけない呑気な心境を抱えながら頑張っている。

私の実力は私が一番わかっているから、期待に応えようとして背伸びばかりするのはやめようと思う。
できる仕事を確実にこなして、そしてそれ以上の力を蓄えていこうって悟ってしまった。

相模さんや仁科さん…吉井さんの仕事ぶりをみる度に思い知らされる実力の差には笑うしかなくて、肩の力を抜くしかなかった。

大賞を受賞して、そんな心境になった事が私の一番の変化。

ま…いいや。

地道に少しずつ。

それでいい。

あと数日で今年も終わるという慌ただしい中、そんな私は来年を楽しみにもしてる。




残業をどうにかこなした後、急いで向かった雑貨屋で。

手に取ったのは二つのマグカップ。

私と濠が使っている水玉模様のマグカップと色違いのそれが、ちゃんとまだお店にあってホッとした。

二つを抱えてレジに向かいながら、濠がどんな顔をするのかを想像して。

ほっこりと体中が温かくなった。
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