溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
年末の忙しさをなんとかやりくりして、病院に行ったのは今日の午後。
心臓の定期検診で何度も訪れているせいか、慣れた空気に違和感は感じないけれど。

普段は感じない浮遊感と高揚する気持ちは抑えられなかった。

通い慣れた病院の中だけれど、いつも濠と来ているフロアではない場所に一人で向かう私は期待でいっぱい。

鼓動は必要以上に大きく跳ねてる。

そして知らされた喜びは…。

思いもよらず…二倍のもので。

あまりの幸せに、会社へどうやって戻ったのかを思い出せないくらい…。

濠に早く会って、一緒に笑いあいたい…。



ちょうど日付が変わる頃、どう見ても疲れている濠が帰ってきた。
コートを脱いでソファの背にかけると、ネクタイを緩めながら笑いかけてくれる。

「今日は早かったんだな。明日仕事納めだろ?」

「うん。もう年末休みに入った業者さんもあるから、結構落ち着いてるんだ…。

あ…あのね…」

濠の側に近づいて、小さく息を吸って。
何からどう話そうって頭を回転させながら…少し焦らし気味に濠を見上げると。
一瞬首を傾げた濠は、はっと気づいたように私に背を向けた。

「悪い。手洗いうがいまだだった」

慌てて洗面所に行く濠の背中を見ながら、ほんの少し力が抜けた。
まあ…手洗いうがいは大切だけど…。

ソファにかかっているコートを手に取って…とりあえずクローゼットにかけに行く事にした。
その間に、ちゃんと話せるように私も落ち着こう。

< 331 / 341 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop