溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「…コーヒー入れたぞ」
リビングに戻った私に、いつもの優しい笑顔で振り返る濠。
ソファに座って、コーヒーを飲みながら。
トントンと、自分の隣を叩いてる。
くすっと笑って隣に座った途端、腰に回された腕にぐいっと引き寄せられて、濠の心臓の音が一番聞こえるところに私の顔は押し付けられた。
「まだ着替えてないの?」
少し煙草の残り香。
濠自身は煙草はすわないけれど、人と接する機会が多いせいか一日の終わりには、服や髪に煙草の香り。
まだスーツの上着を脱いだだけだから、仕方ない。
前は女物の香水の香りを纏って帰ってきた事もある。
…もう慣れたけど…。
「着替える前に透子を補充。
ゆっくり会えなかったからな…新婚なのにな」
私の背中を撫でる温かい指先に私の疲れもほぐれてきて、目を閉じてしまう。
忙しく過ごす二人が、特に何を話すわけでもなく…まったりと寄り添う時間をもてる事はかなりの贅沢。
本当なら、家事はもちろん濠の世話に腰を据えて取り組みたいけれど。
なかなかそうはいかない私の状況を受け入れてくれる濠には感謝ばかり。
とくとく…響く濠の鼓動を聞きながら…。
今日聞かされた音を思い出した。
「今日ね、濠と私の合作の音を聞いたよ」
「は…?合作…?」
「うん。濠と私の愛の合作。…わかる?」
ゆっくりと濠の胸から体を起こして顔を上げると
わけがわからない瞳。
戸惑いながら、眉を寄せてる。
「…お待たせしました」
ふふっと笑う私の言葉は少し上ずっているようで私も興奮してるのかな。
「濠、欲しかったでしょ?濠に似た分身が。私と一緒に育てる大切な…子供ちゃん」
「え…っ」
「お待たせしました。
ようやくやってきてくれました」
驚いてる濠の右手をとって、そっと私のお腹に置くと、一瞬びくっと力の入った手が…。
優しく私のお腹に温かさを落とす。
怖々とゆっくりと撫でる濠の手の下には、今日病院で初めて聞いた赤ちゃんの心音が響いてるはず。