溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「悠里…?」

「あ…なんでもないない。いっつも喬透子の味方ばっかりだからムカついただけ」

苦笑しながら軽く喬を睨む悠里は、寂しそうな顔のまま。
そんな悠里を笑って見てる喬は、普段以上に穏やかに優しく笑ってる。
もう一年以上付き合ってる二人の愛情が見えるみたい。

「私も、コンクール頑張ろうかな。
相模様の下で勉強できる特典なんて夢だよ…」

設計に関しては、社内でも一目置かれている悠里だけど、今までコンクールには全く興味がなかった。
今頃どうして…?

そんな想いが顔に出ていたのか、悠里はくすっと笑って

「まあ、女も三十路になると心境も変わるし。
透子だって、去年の年末突然コンクールにやる気だして頑張ってたでしょ?」

「あ…それはまあ…そうだけど」

確かにそうなんだけど、それ以上突っ込まれたくなくて曖昧に笑ってしまう。

年末…。
悠里気づいてたんだ…。
突然人が変わったみたいに取り組み始めたコンクールに出品する為の模型製作。
会社に居残って、毎日遅くまで没頭してた…。
ちょうど濠が出張でいなかったのもあって、その事のみに集中してた。

コンクールで大賞をとる為に。

「でも…大賞とったら、透子はもう設計業界全体の共有財産になるもんね。
なんだか寂しい…」

「悠里…」

涙目になってる悠里は、鼻をぐすっと言わせて。
そんな悠里の頭をぽんぽんと撫でる喬は苦笑してて。

そんな二人から離れるのが、心底寂しい…。

「ふふっ」

目の奥が熱くなるのを堪えながら…。

私は笑ってみせた。
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