溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
部屋には明かりがついていて、ソファーに座る濠がいた。
宴会の間ずっと我慢していた感情が溢れてきて、小走りに近づいて抱き着こうとした時、ふっと濠が振り返った。
あ…電話してたんだ…
携帯で話しながら、一瞬目で私を制した後で。
会話を続けながらも笑ってくれた。
そっと近づくと、右手をぐっと掴まれて抱き寄せられた。濠の膝の上に座って、濠の胸に顔を押し付けられると。
何だかわからない涙が目を熱くする。
ああ。
このままこうしてずっといたい…。濠が私を大切に抱きしめてくれる限り、側にいたい。
選択肢を濠に与えなきゃ…って思ってた気持ちは急速に小さくなっていくみたい。
私は濠に寄り添ったままでいたい…。
明日の引っ越しも、異動も話そう…。
今頃言い出す私にいい気分じゃないだろうけど。
ちゃんと話してみよう…。
濠の背中に回した手に力を込めると…片手だけど抱き返してくれる濠…。
そんな仕草にほんの少しホッとして目を閉じた。
でも…聞こえてきた濠の言葉に私の心は固まってしまった…。
「じゃ、雪美が資料持ってきて。フランスに入ったら他のメンバーと打ち合わせしながら詰めよう。夜も時間取れるだろうし、なんとかなるさ」
仕事モードの低い声で話す濠。
私の心臓が激しい音をたててるのには気づいてないよね。
跳ねる鼓動の理由…。
そうか…雪美さんもフランス一緒に行くんだ…。
落ち込む私の気持ちは底無しで、更にぎゅっと濠にしがみつきながら、早く気持ちが落ち着くように…。
私の中の感情の扉を幾つか閉じた。