キミとの恋の課外授業
「それにさ、省にぃ。まだ教育実習生だからね」
学校に、あたし達のこと知られてしまったら大変だからね。
「省にぃが、教育実習終えるまで、デートなんて、できないよ」
「そうだったね。バレたら、ヤバイもんね」
「うん」
なんか、大変だねって言う恵美に、あたしは「うぅん」と明るく言った。
デートは、できないけど、省にぃとは学校で会えるし。
「それに、家庭教師だからね。あっ、でもこれから忙しくなるから週3しか来れないって言ってたっけ」
「そうなの?寂しいね」
「うぅん。全く会えないわけじゃないから」
「そうだね。けどさ、教師と生徒って。なんか、いいなぁ~ちょっと禁断だね」
“禁断だね”だなんてぇ~。そんな事、考えてなかった。
省にぃは“先生”より“幼なじみ”のイメージが強かったからな。
恵美が言った“禁断”という言葉に実感がなくて。
あたしはただ、頭上に広がる分厚い雲の隙間から差し込む太陽の光を眺めていた。